中長期で売上の安定を実現する実践的ファンマーケティング|2026年3月度例会
3月の例会では、小規模事業者のマーケティングを考えるうえで重要な視点である「ファンマーケティング」を整理しました。

ファンマーケティングとは何か ― 関係性で成長するマーケティング
ファンマーケティングとは「顧客との信頼・共感を深め、関係性の質を高めることでLTVを伸ばし、中長期で売上の安定を実現する考え方」です。単なるリピート促進ではなく、紹介行動まで伴う“熱量の高い支持層”を育て、企業(商品・サービス)と顧客の継続的な結びつきを作る点が核となります。
この考え方が重要視される背景として、(1)人口減少社会において新規獲得だけでは成長が見込みにくい、(2)情報過多でメッセージが届きにくい、(3)機能・価格だけでは差別化が難しく製品やサービスがコモディティ化しやすい、などの社会的な課題があります。
応援マーケティングやプロセス・マーケティングとの関係性
関連する概念として、「応援マーケティング」「プロセス・マーケティング」があります。これらを取り上げて、それぞれの関係を検討しました(上図参照)。
「ファンマーケティング」は前述のとおり顧客との戦略的方向性、「応援マーケティング」は、“未完成さ”や“挑戦”を開示することで「支えたい」感情を引き出す考え方で、ファンマーケティングの実行戦略にあたるもの、「プロセス・マーケティング」は挑戦の過程を継続的にコンテンツ化して物語性を持たせ、受け手を当事者化する表現手法、という連続構造を共有しました。
支援への実装における諸課題の検討
さらに、これらのロジックを実際の事例を踏まえて検証し、支援プロセスへの実装の際の難しさとして、(1)ファンは変化を好まない傾向があり高齢化リスク、(2)熱心なファンの要望に応えすぎると革新や将来投資と矛盾しうるため「声の尊重」と「未来の意思決定軸」のバランスが重要、(3)リピーターとファンは“熱量”と“紹介行動”で異なるためファン定義を曖昧にしない、と整理しました。
また、物販(モノ売り)とサービス/専門性(人・サービス売り)で最適な関係構築が異なるため、自社の提供価値の中心を明確にしたうえで、発信内容(何を/粒度/頻度)と体験設計(参加の余白)を組み合わせ、長期的に関係性が積み上がる運用に落とす必要がある点などを検討しました。
さらに、主要課題として、経営者が未完成の過程を見せる抵抗感をどう乗り越え、挑戦の物語を継続発信できる状態を作るかが成果化の鍵、と結論づけました。
次回(4月度)の予定
次回の予定
- 4月16日(土)9:30-11:00
- オンライン(Zoom)
- テーマ:
- 小規模事業者の実践的AIO(増田)
- 「当たり前」に価値を見出す〜ナッジ理論(大谷)
研究会の開催予定については、東京協会会員の方はT-SMECAニュースデジタルや中央支部ホームページでご確認ください。研究会会員の方はNotionの「実践的プロモーション研究会wiki」でご確認ください。

