発表論文(論旨)

私たちは、特に「実践的」な支援を重視しています。小規模事業者の多くは資金と時間と人員に制約があるなかで事業を展開しており、施策にもコストをかけずにすぐに使えるものが求められるからです。

小規模事業者の情報発信を効率化するコンテンツ制作ツール~12の「呼び水」を使ってサクサク創る制作メソッド~

 プロモーションではSNSを活用した情報発信の重要性が高まっていますが、事業者のアカウントには継続に苦労している場合が散見されます。事業者の中には、自ら語ることは苦手でも、問いかければ多くを返してくださる方がいます。そこで「呼び水」的なものがあればコンテンツのネタを引き出しやすくなると仮説を立て、いくつかの事業者の協力のもとで検証しました。その結果、継続的な投稿や、リーチやインタラクションの伸長などの効果を確認することができました。(令和3年度中小企業経営診断シンポジウム 東京協会会長賞受賞)

コミュニケーションに必要な最低限のビジュアルを準備するための「実践的写真セット」の開発

 呼び水ツールで引き出したネタは表現に置き換えなければコンテンツとして成立しません。表現の重要な手段に「写真」があります。ウェブサイトでもSNSでも写真は重要な要素です。しかし「写真はよく分からない」という事業者が多かったため、最低限揃えておきたい写真表現の切り口を整理したツールが「実践的写真セット」です。イメージを伝える写真と説明役の写真を区分してセットとすることでバランスのよい投稿につながることを確認しました。(令和4年度中小企業経営診断シンポジウム 優秀賞受賞)

専門性を訴求するための表現ツール「事典型コンテンツ」の開発

 発注企業が中小企業に求める特徴に「特定の領域における高い専門性」があります。つまり受注側である中小企業には「特定領域における専門性を発信する戦略」が求められます。この専門性を「事典」に置き換えて表現コンセプトとしたものが「事典型コンテンツ」です。誰もが共通認識している「事典」をコンセプトとすることで、専門性を訴求すると同時に事業者の主体的な取り組みにつながりやすいことを確認しました。(令和5年度中小企業経営診断シンポジウム 東京協会会長賞受賞)